【センス博士の今週のトopic】Vol. 12 – 第2章

アバターを飾る、自己表現の進化形?デジタルファッションが変える「所有」と「アイデンティティ」
こんにちは、CustomMemories.jpのセンス博士です。 デジタルファッション3部作、第2章へようこそ。
前回、私たちは世界のトップブランドが、なぜ「実体のない服」に、莫大な投資を、し始めたのか?その、背景にある「メタバース」という、巨大な新しい市場の、存在についてお話ししました。
では、今回は視点を変えて、それを「買う側」、つまり、私たち消費者の「心」の謎に、迫ってみましょう。 なぜ、私たちは、触ることも着ることもできない、デジタルなデータにお金を、払うのでしょうか?

「いいね!」の、その先へ。新しい「自己表現」の、舞台
私たちが、Instagramに最高の一枚を、投稿するように。 メタバース空間に集う人々もまた、自分の「アバター」を最高に、クールに、あるいは美しく飾り付け、他の人から「センス良いね!」と、思われたいという強い欲求を持っています。
現実世界の、物理的な制約(身長、体型、そして重力さえも)から、解放されたアバターは、まさに「理想の自分」を、表現するための最高のキャンバスです。 燃え盛る炎のドレスや、背中から生えた天使の翼。現実では決して、着ることのできない、大胆でアーティスティックなファッションも、メタバースなら可能です。
デジタルファッションは、SNSのそのさらに先にある、究極の、「自己表現」と「コミュニケーション」の、ツールなのです。
「所有」から、「アクセス権」へ。価値観の大転換!
そして、もう一つ重要なのが「所有」という、概念の変化です。 特に、デジタルネイティブである若い世代にとって、「物を、所有する」ということの価値は、絶対的なものではなくなってきています。
例えば、音楽。 かつてはCDやレコードを買って、棚に並べるのが当たり前でした。 ですが、今はどうでしょう。多くの人が、SpotifyやApple Musicといった、月額制のストリーミングサービスを利用し、「曲を、所有する」のではなく、「いつでも好きな曲にアクセスできる、権利」に、お金を払っています。
デジタルファッションも、これと似ています。 それは、「その特別な、ファッションアイテムを自分のアバターに着せることを、許可されたただ一人の自分である」という、唯一無二の「権利(アクセス権)」に対して、価値を感じているのです。 この、「権利」の証明として、NFT(非代替性トークン)という、ブロックチェーン技術が、使われることもあります。
私たちの、価値観は、「物理的な所有」から、「デジタルな体験」へと、静かに、しかし確実に、シフトしているのかもしれませんね。
