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【センス博士の今週のTopic】Vol. 15 – 第2章
ミラノの、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に描かれた、レオナルド・ダ・ヴィンチのもう一つの傑作「最後の晩餐」。 イエス・キリストと、12人の弟子たちが囲む、最後の食卓。その劇的な瞬間を描いた、この壁画にもレオナルドが、仕掛けた驚くべき「暗号」が、隠されていました。

2007年、イタリアの音楽家、ジョヴァンニ・マリア・パーラ氏が、この絵画を徹底的に分析し、驚くべき仮説を発表します。 それは、「絵画の中に描かれている、パンと弟子たちの手の位置が、一つの『楽譜』になっている」という、ものでした。
絵画の上に五線譜を重ね、それぞれの位置を音符として解読。 そして、レオナルドが右から左へと、文字を書く鏡文字の習慣を持っていたことから、その楽譜を右から、左へと演奏してみたのです。
すると、どうでしょう。 そこから浮かび上がってきたのは40秒ほどの、レクイエム(鎮魂歌)のような、非常に美しくも物悲しい、荘厳なメロディーでした。 このニュースは世界中を駆け巡り「YouTube」などでは、実際にそのメロディーを再現した演奏を、聴くことができます。
キリストの受難を暗示する、この荘厳な絵画の中に、レオナルドは鎮魂のメロディーを隠していたのでしょうか。 アートと、音楽が、完璧に融合した天才の遊び心。 本当に、鳥肌が立ちますね。